道を歩いていると、他人とすれ違う。
たいていはお互いが自分の歩いているコースを少しだけ右か左にずれて譲り合う。
まさに日本人のお互い様の精神。
しかし最近、避けない人が多い。コースを一歩も譲らず、すれ違う相手に当然のように道を譲らせる。
しかもこっちを一切見ないやつもいる。
譲ってもらってありがとうはあるわけないし、譲ってもらった認識も、多分無視をしているという認識もない。
まるでそこに人なんていない、完全な無関心。
どうしてそこまで平気でいられるのだろう。殴ろう刺そうと思えば簡単にできるのに。
多分普段から何も考えていないんだろうな。誰にも注意されずに育ってきたのだろう。
自分が楽しいかどうかしか考えられない子供なんだと思う。どこかで死ぬほどつらい目にあえばいいさ。
もう一つ道を譲らない人間。こっちに気づいているけどあえて避けないタイプ。歩き方や態度や顔で威圧して避けさせる。
そういうタイプは結局、自分に自信がないのだろう。
相手に道をあけさせることによって、自分の方が強いと確認する。
相手より自分が上だと思うことで自分の価値を認識している。
つまり、人に迷惑をかけることで、相手に自分を認識させ、結果自分はここに存在しているという認識を得ている。
逆に道を人に譲るということを、負けと思っているのだと思う。
そんなかわいそうな人には素直に道を譲ってあげよう。そして心の中で笑ってやろう。
あーイライラする。最近日本人と呼べる人がめっきり少なくなった。悲しい限りだ。
幼少時代に親や近所、友達から十分な愛情を得ることができなかったのかもしれない。
人間は相手を認めることができる生き物だから、たとえ他人だろうとお互いを認め合うことによって自分の存在を確かめることができるはずだ。